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第3章 企業がわかる

業界の動向をチェックすることも大事

2 これから伸びる産業は?

愛知県は自動車製造を中心としたものづくりで知られています。しかし、今後も持続的な経済発展へ向けて自動車に続く有望な「成長産業(*1)」が必要です。

県が掲げる「あいち産業労働ビジョン」では、①航空機や宇宙開発 ②環境や新エネルギー(*2)開発 ③健康・長寿・福祉―などをテーマにした新産業の育成を挙げています。これまでの技術力で培った夢の新産業、期待が持てる5つの産業をご紹介します。

  • 航空宇宙イメージ

    航空宇宙

    県営名古屋空港で11月に行った試験飛行で、国産旅客機「MRJ(三菱リージョナルジェット)」が初飛行に成功して話題となりました。2018年を目標に航空会社へ発売したい考えです。MRJは客席数90の小型旅客機。国内の地方空港をつなぐ「リージョナル(*3)ジェット」として期待されています。

    生産販売が実現すれば、機体の組み立てのほか、部品や素材をつくる工場などで技術者や作業員などが必要になります。新たに働く場所が増えると地域は期待しています。

  • 次世代自動車イメージ

    次世代自動車

    21世紀は地球環境を守ることがもっとも重要視されています。ものづくりの世界でも同じことがいえます。

    たとえば、黒煙をまき散らし、ガソリンなどの燃料をたくさん使用する車は人気を下げる傾向にあります。走行時にガソリンを大量に燃やせば、地球温暖化の要因となる二酸化炭素がたくさん排出されるからです。

    ガソリンと電気を交互に使い分ける「ハイブリッド車」が発売されて20年近く。より燃料使用を抑えた環境にもサイフ(価格)にも優しい車が世の中の主流になっています。

    自動車メーカーも技術開発を競っています。エンジンの電源を家庭用電源からとることができる「プラグイン」ハイブリッド車が登場。さらに、ガソリンを使わない電気自動車(EV)など次世代自動車の開発は進歩を続けています。

  • 医療・介護・福祉イメージ

    医療・介護・福祉

    日本はいま、かつてない超高齢化社会(*4)へとまっしぐらに進んでいます。高齢者が増えれば医療機関にかかる人、介護が必要なお年寄りが増えることでしょう。平均寿命が延び、60歳代の高齢者が80~90歳代の超高齢者を世話する「老老介護」も珍しくない状況が迫っているのです。

    病を防ぐには体を動かすことが基本ですが、老化は足腰や関節を弱らせて運動能力を低下させてしまいます。そこで、医療分野では機能しなくなった骨や関節など体内の一部を人工的につくる技術開発が不可欠になります。

    人工股関節や歯根(歯の付け根部分)などは、体内に埋め込んでも大丈夫な金属の開発が進んでいます。こうした医療機器はアメリカが研究でリードしていましたが、欧米人向けの大きなサイズが多く日本人に適したものが少なかったのです。日本で成功すれば、体型が似ているアジアでも販売が加速されるでしょう。

    長年の動きでなくなった軟骨や、大やけどで死滅した皮膚などをつくり出す「再生医療」も注目分野です。同じ人の軟骨や皮膚を培養によって増やし、患部に移植することが実用手前のところへきています。

    さらに、介護ロボットなども研究開発が進んでいます。自動車産業を中心に作業用ロボットの研究開発が土台にあるといえるでしょう。高齢者に代わって重い荷物を運んでくれる介護ロボットなどの普及へ夢が膨らみます。

  • リサイクル産業イメージ

    リサイクル産業

    ものを製造することは地球環境にも負担をかけることになります。材料は資源でもあり、加工するときは燃料を使うことにもなるからです。資源は可能な限り再利用することが地球環境を守る近道となります。

    自動車や家電など使い古され捨てられた商品、空き缶や空きびん、ペットボトルなどの容器などは希少な金属やプラスチックなどの資源が詰まっています。飲食店で食べ残した料理にも肥料のもとになる原料などが含まれています。

    リサイクル会社はこうした「廃棄物」を工場で資源ごとに分別し、有用な成分などを取り出して再利用に必要な処理をします。食べ残した食品から液体の肥料をとり、残りかすを家畜用のエサとして利用する技術もすでに利用されています。

    リサイクル技術は工業製品だけでなく、農業への活用範囲もさらに広がりました。

  • 農業イメージ

    農業

    TPP(環太平洋パートナーシップ協定)を知っていますか?参加する国どうしが協力し、農産品や工業製品のほかサービスも含むすべての商取引(*5)で輸出時に負担となっていた関税(*6)をなくそうというものです。価格と品質で国産品と輸入品が真っ向勝負する時代が迫っています。

    日本の農業にとってチャンスは輸出。現在、大半が国内で消費されており、海外は新しい販売先となる可能性が大きいからです。日本の食品や農産品は工業製品と同じく、品質の高さで知られています。

    さらに、農地の大規模化への期待です。日本では家族経営で狭い農地で栽培していたので、農家の数は多い反面、生産の効率は悪く価格も上がる要因となっていました。数十倍近い栽培面積を誇るアメリカやオーストラリアに負けない効率が必要です。高齢化や核家族化で耕されなくなった農地を合体させ、新たな担い手(*7)と期待されるのが企業です。栽培技術のほか、企業経営の知識が生かせるため、大規模化が実現すれば安価な農産品が誕生する可能性は大きいと考えられています。

    また栽培面でも、肥料や水やり、日照量や生育状況などをコンピューターで管理する技術も進んでいます。飲食店やスーパーと直接取引(*8)するときは営業マンも必要です。人も多く雇えます。家族経営(*9)ではありえなかった週休二日制(*10)も夢ではありません。新たな就職先、企業の新たな部署として成り立つ日も遠くはないでしょう。

(*1)成長産業
成長率の高い産業のこと。
(*2)新エネルギー
バイオマス燃料や太陽光発電、太陽熱発電などの、二酸化炭素排出量が少ない再生可能エネルギーの総称。1997年に制定された「新エネルギー法」において定義されている。
(*3)リージョナル
他の外来語の上に付いて「地域の」「地方の」などの意を表す。
(*4)超高齢化社会
65歳以上の高齢者の占める割合が全人口の21%を超えた社会。日本が超高齢社会となるのは時間の問題といわれている。また、65歳以上の高齢者の占める割合が全人口の7%を超えた社会は「高齢化社会」、14%を超えた社会は「高齢社会」と呼ばれる。
(*5)商取引
商業上の取引の行為
(*6)関税
貨物が国境を通過する際課せられる税。輸入税と輸出税があるが、現在日本には輸入税しかない。税収入を目的とする財政関税、国内の産業の保護を目的とする保護関税などがある。
(*7)担い手
中心となって、物事を進める人。
(*8)直接取引
仲介人を介さず、当事者双方が直接に行う取引。
(*9)家族経営
特定の一族が経営権を握る、企業経営の一つのやり方のこと。株式を発行している企業などでは、自社関連の持ち株比率を一定に保ち被買収などを避けやすくするといったメリットがある。
(*10)週休二日制
月に一度以上、週に二日の休みが保障される会社などにおける制度のこと。毎週二日の休みが保障される「完全週休二日制」とは異なる。